パンズ・ラビリンス [映画]
★★★★★★★★★☆
http://www.panslabyrinth.jp/ (パンズ・ラビリンス 公式サイト)
「パンズ・ラビリンス」。
恵比寿・ガーデンシネマにて観てまいりました。
これ、かなり前から、
この恵比寿・ガーデンシネマに行くたびに予告編を観せられててですね、
正直、(なんか中途半端なファンタジー物?っぽくねくね?…(´д`))
…なんて思って、たいして観たいとも気に留めてもなかったんですが。
面白い。
いやさ、面白い。
これはちょっと意表を衝かれてしまいましたね。
このなんでしょう、ぜんっぜん心ときめかないファンタジー。
観ていて、ぜんっぜんワクワクしないファンタジー。
なるほど、ここを突いてきましたか。
こりゃ、おじさん一本取られた…(´д`)
アイデア…発想、そして、それを見事に映像化できる技術。
…の勝利ですかねぇ、この映画は。
”1944年のスペイン内戦で父を亡くしたオフェリア(イバナ・バケロ)。
母は冷酷な独裁主義の大尉と再婚する。
恐ろしい義父から逃れたいと願う彼女は屋敷の近くで謎めいた迷宮を見つけ出し、
足を踏み入れると、迷宮の守護神“パン”(ダグ・ジョーンズ)が現れる。”
この主演の女の子、可愛らしかったですねぇ。
こういうノホホンとした顔の子、好きです、なんか…(笑)
で、これまず、時代設定からして面白いというか、
なんで敢えてこの時代なの?っていう所が最初不思議に思ったんですね。
はっきり言ってファンタジーメインのストーリーなら、
別に現代でもいいですし、こんなややこしい時代にする必要もないわけですから。
でも、それを敢えてこの時代を舞台にしたところに、
この作品の面白さというか、ストーリーに深みを与える要因に成り得たというか。
最後まで観終えた後には、ああ、なるほどなと思わされる事になりました。
全体の雰囲気は、重い、暗い…そんな感じですねぇ。
もう、まさにヨーロッパの映画って感じで、
↑の特撮シーンとかがなければ普通の戦争ものの映画みたいな。
そんな雰囲気なので、決して子供が観て喜ぶものではないでしょう…(笑)
でも、何度も言いますが、そこがいいんですよね、この映画。
母の再婚相手、
ゲリラ討伐にあたっているビダル大尉↑の元へ母と共に来たオフェリアは、
滞在先の家の裏にある迷宮”ラビリンス”を発見する。
妖精に導かれるままその迷宮に入り込んだオフェリアは、
そこで迷宮の番人パンに遭遇。
「あなたはかつての魔法の王国のプリンセス、モアナ姫の生まれ変わりだ」
オフェリアに向かいそう言放つパンは続けて、
「満月の夜までに3つの試練を見事に乗り越えれば、魔法の王国に帰る事ができる」
そうオフェリアに告げる。
普段から絵本が大好きでおとぎ話に憧れるオフェリア。
新しく父親となるビダル大尉の事も好きになれず、
オフェリアはこのパンの言葉に惹かれ、一人、この3つの試練に挑戦することになる。
…と言った具合のイントロダクソンで。
と言っても、特に何か特別な能力があるわけでもないんですね。
このオフェリアには。
そうですね、敢えてあるとするならば、
・虫を怖がらない。
・化け物を見ても気持ち悪がらない。
この2つの勇気でしょうか…(笑)
まぁまぁ、
これこそがプリンセスの生まれ変わりたる由縁なんでしょうけどもね。
だってもう、自分なんか、
最初の”妖精=虫”が出てきた時点でアウトですもんね…(;´д⊂)
もう、無理無理無理…、あんなん家におったら…(;´д⊂)
殺虫剤シューッ………
で、この↑のとかも、もうモノッ凄い気持ち悪いでしょ…?
最近なんか、気持ち悪いのばっかり観てる気がする…。
でも、この映画の特撮に関しては凄くいいセンスだなぁと思いましたねぇ。
これ↑とかも、なんか妙にリアルな怖さがあってホントにいそうだったし、
ファンタジー物の作品なんですけど全然大袈裟じゃなくてですね。
ほんとにピンポイントで特撮・CGなんかも使われていて、
それが非常に効果的で。
そこのサジ加減が実に見事だなぁと思いました。
で、その物語全体のバランスとしてもですね、
決してこの3つの試練…というのが全てというわけでもなくて、
どちらかというと、ビダル大尉率いる政府軍とゲリラによる内戦…
という事情を踏まえて、それに幼くして巻き込まれてしまうオフェリアの姿や、
その他の登場人物の苦悩・葛藤という部分が主に描かれていて、
そこでオフェリアは”パンズ・ラビリンス”に救いを求める…っていう。
そういった内容なんですね。
なので先ほども言いましたが、
結構重いストーリー…そして残酷な描写も多々ありますので、
決して”子供に夢を与える”というような趣旨でもないですし、
言うなれば、”大人に向けたファンタジー”という印象ですよね。
いわゆる「ハリポタ」やら「ロード・オブ~…」みたいな…
ハリウッド映画ファンタジーに見飽きた方には、
凄く刺激的で新鮮な映画に見えるんじゃないかなって思います。
いやでも、凄くいいわ、これ。
うんうん。
是非、お近くで上映していればですね、
観に行って損はしない出来栄えなんじゃないかと思いますよ、ええ。
というわけでございまして、「パンズ・ラビリンス」。
★9個で!!
…最近ちょっと、
昔に自分の書いた記事なんかを見返してたんですね。
で、非常に手前ミソで申し訳ないんですが、
今よりちゃんと書いてて面白いなぁ…なんて思ってしまいましてね…(´д`)テッヘッヘ
正直、最近はちょっと昔のような時間もかけてないし、
手を抜いてる感もありますので、ここらでちょっと気を引き締めてですね。
また、自分で読んでも面白いと思えるような記事を書きたい…
書かなきゃなっていう反省もしつつ。
そんな風に思いました、ほんとに。
というわけで、次回からも頑張りたいと思います。
それでは、ダンケシェーン(´・ω・`)ノシ
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
ついに見てきましたよ~ダーク・ファンタジー。
っていうかファンタジーっぽい部分がある現実的なストーリーでしたね。
2つめの試練の追いかけてくるクリーチャー。手に目があるアレです。ちょっとヴォルデモートを思い出してしまった不届き者です・・・。
なにはともあれ衝撃度は1番でした。薦めたいんだけど、はたして万人にオススメしていいものか悩んじゃうんですけどね。
投稿: Kitty | 2007年10月28日 (日) 21時55分
kittyさん、お越しやす~~!_(._.)_
観てこられましたか~、ダーク・ファンタジー。
そうそう、
まさに”ファンタジーっぽいところのある現実的なストーリー”って感じでしたよねぇ。
言い得て妙ですねぇ。
でも、それがある意味自分の中では斬新で、凄く楽しめました!
モンスター?と言っていいのかどうか分かりませんが、
さすがにアカデミー賞をとるくらいの迫力もありましたね!
…まぁ、たぶんこの出来なら万人におススメしていいと思いますよ(笑)
投稿: Sur | 2007年10月30日 (火) 07時31分