夕凪の街 桜の国 [映画]
★★★★★☆☆☆☆☆
http://www.yunagi-sakura.jp/ (夕凪の街 桜の国 公式サイト)
「夕凪の街 桜の国」。
観てまいりました。
うーーん。
これはぁ~~。
個人的には”もったいない作品”になりますかねぇ。
予告編などを観てた段階から結構観たかった作品だったんですよ。
とはいえ、過度の期待はせずに、
(それとなく感動させてくれればいいなぁ)…なんて思ってたんですが。
でも、ちょっと最終的には”感動”という所までは行きませんでしたかねぇ。
映画が終わって劇場を後にしようとする際に、
まだ座って泣いている方なんかも見ましたけど。
うん、まぁ、
全然そういう方の気持ちも分からなくもないんだけど…っていうですね。
前半は凄く良かったと思うんですよ。
この映画。
というのも、この作品、
”夕凪の街”と”桜の国”で2部構成になってるんですね。
前半部分にあたる”夕凪の街”が、
原爆の投下から13年経った昭和33年の”広島の街”でのエピソード。
そして、後半の”桜の国”が、2007年の現代でのお話。
この二つの物語がそれぞれリンクして、この作品が構成されているんですが。
で、もう、ぶっちゃけて言うと、この2部構成に意義あり!なワケです(爆)
先ほども言いましたけど、
前半の”夕凪の街”は凄く良いお話で感動もできたんですが、
後半の”桜の国”に至っては、その存在意義すら分からないという…。
なぜ、こういう形…2部構成にしなければいけなかったのか、とですね。
原作の段階では読んでいないのでどういう風に見えたのかはわかりませんが、
この映画だけを観た感想ではこう思ってしまいましたね。
ほんと、必要ない………んじゃないかな…?と(´・ω・`)
なので、これによって田中麗奈さんが主演のような扱いになってるのを見ると、
ちょっと麻生久美子さんが可愛そうかなっていう…。
個人的にだけなのかもしれませんけど、
どっちの役が印象に残ってるかって言われたら、絶対麻生さんの方ですから…。
”平野皆実(麻生久美子)。
1945年8月6日に広島市で、原子爆弾の被害に遭うが生き残る。
父と妹が原爆の犠牲になった。
その後、母と2人で”夕凪の街”のあばら家で暮らし、小さな会社で事務員をしている。
弟の旭(伊崎充則)がいるが、戦時中に水戸の伯母の家に疎開させた後、
そのまま広島に帰らず伯母の養子となる。
左腕に大きなやけどの跡が残り、誰にも見せたくなく、夏でも長袖を着ている。
弟に会いに行くのと、叔母から借りた学費を返済するため倹約生活を送っており、
草履作りのため竹の皮を集めている。
同じ会社に勤める打越(吉田悠)に想いを寄せるも、
何か幸せを感じる度に被爆時の記憶が蘇り、その苦悩を抱え暮らしている為、
自分だけが”幸せになってはいけない”のではないかと思っている…。”
(夕凪の街 桜の国wikipediaよりフィーチャリング)
…というような”夕凪の街”のストーリーなんですが、
もう、ようは”皆実と打越さんのラブストーリー”ですね。
当然、原爆に被災した皆実の苦悩という部分も含めて描かれています。
でも、別に今更取り立てて書く事もないようなベタベタな恋愛模様なんですが、
これがまた、この二人が凄く初々しい雰囲気を出していて、良いんですねぇ。
お互いが惹かれあっているのを分かっていながら、
しかし、なかなか素直になれず……でも、やっぱり好きなの…っていう。
あたし、こういうの好き。
ええ、とっても好きよ。
もう、ヤキモキしちゃう!!(*´Д`*)
…ゴホンっ。
そうなんですよ、凄く良いんですよねぇ。
これはもう、この麻生久美子さんが元来持つ魅力による部分も大きいんでしょうけど、
清楚で真面目な感じのいいお嬢さんでねぇ。
いいのよ、凄く!(*´Д`*)
…ゴホンッ。
じゃぁ、そこで相手役の打越さん役の吉田さんはどうなのって事になりますけど、
この方も、真面目に真摯に皆実の事を愛している、という想いが素直に伝わってくる。
そんな好青年を見事に演じられていたんじゃないかなと思うんですね。
じゃ、もう、
この二人結ばれちゃえばいいじゃん!!(*´Д`*)
…っていう♪(*´Д`*)
ね♪(*´Д`*)
……(*´Д`*)
………
………
………
………(´Д`+ )
”石川七波(田中麗奈)。
皆実の実の弟、旭の娘。皆実の姪にあたる。
28歳の会社員。父と弟との3人暮らし。
小学生の頃、苗字のせいで”ゴエモン”とあだ名されていた。
近頃、既に定年退職をした父(堺正章)の携帯電話の料金が倍近くに増え、
さらには、突然何も言わずに数日間家を空けるようになった。
そんな父の行動を不審に思い、
ある夜、また密かに家を出た父の後を追う。
その追跡の最中、以前住んでいた街で仲の良かった東子(中越典子)と
17年ぶりの再会を偶然に果たす。
その東子と共に、七波は父の乗った広島行きの夜行バスに乗り込んだのだが…。”
(夕凪の街 桜の国wikipediaより 所々サンプリング)
さて、問題はこの”桜の国”の方なんですよね。
これが、最初にも言いましたけど、本当に必要なのかなと…。
いや、もちろん言いたい事というか、
その伝えたい事という部分は分からなくもないんですが、
でも、どうしてもねぇ…”夕凪の街”と比べると全てが軽いというかなんというか…。
七波、父親の旭、東子と弟の凪生…
それぞれの色々な問題や悩みを抱えてるんですけど、そういう部分でね…。
”夕凪の街”がどちらかというとリアルに近い原爆の被害を描いてたのに対し、
その後の”桜の国”になって、”原爆の影響”という意味ではより遠ざかった
60数年後の問題を見せられても、やっぱり蛇足感しか得られないんですよね。
まぁ、テーマとしては、まさにその”今尚続く…”という部分なのかもしれませんけど。
でも、やっぱり伝わりにくいし、分かりづらいし…
何よりストーリーとして単純に面白くないですし…ね(爆)
そして、さらにもう一つ言わせてもらうとですね、
あの打越さんのその後は見たくなかったかな…っていう…(爆)
う…打越さん……?(;´д⊂)
ほ、本当に、う…打越さんなの…?(;´д⊂)
…っていうですね…。
…そういうのもありましたね、ハイ…。
だから、もう、どうせならほんとに、
「ほたるの墓」+「地下鉄に乗って」とモロ被りになりますけど…、
田中麗奈さんが過去にタイムスリップして(意識だけでも)、
で、そこで皆実と打越、そして父親の旭と母親の人生を垣間見る…みたいな。
そういう感じの方が分かりやすいし、
もっと単純に面白かったんじゃないかなと思ったんですけどねぇ。
ちょっとそんな風な描写もありましたけどね、実際。
でも、あそこもいきなりすぎて、イマイチ何かようわからん描写になってましたし…(爆)
なので、ほんと繰り返しになりますが、
”夕凪の街”が良かっただけにちょっと個人的には残念な…
もったいないなっていう作品になってしまいましたね…(´・ω・`)
”原爆”という人類が生み出してしまった、
決して生み出してはいけない兵器に対する強い憤り感という物は感じましたし、
その悲劇を風化させてはいけないんだというメッセージも伝わってきました。
それだけに、もう少しそれを分かりやすい形で観せて欲しかったな、というですね。
想いも同時に持ちました。
ですけど、決して観て損はない作品だとは思いますので、
機会があれば是非一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
…というところで、「夕凪の街 桜の国」。
★5個で!
…もう、言い訳すらしない。
ええ、忘れてませんよ、「TOKKO-特攻-」ですね、ええ。
もう、また「トランスフォーマー」を観に行くまでには書いてしまいたいなと、
重々思ってますのでね、ええ。
というか、あれですよね。
なんならもう、御自分で観てきます?(おい)
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コメント
こんばんは♪
TBどうもありがとうございました。
「夕凪の街」のほうが断然よかったですよね。
麻生さんもとてもよかったです。
クレジットで田中さんのほうが先だったのを見て、
「ええーーー!」って思いました^^;;
「桜の国」は、コミカルすぎて妙でしたね、なんだか。
ラブホとか、なんじゃい!?でした^^;;
投稿: miyukichi | 2007年8月16日 (木) 22時13分
miyukichiさん、こちらこそありがとうございます!
お越しやす~_(._.)_
>「夕凪の街」
ですよねぇ~、もう。
こっちの方の話で展開してくれた方が、より伝わる物も多かったんではないかと思ってしまったんですが。
>「桜の国」
そうそうそう!
まず、??と思ったのが、あの中途半端なコミカル…ですね(笑)
単純にコミカルとしても面白くないし、映画のテーマには全く不必要な演出だし…(;´д⊂)
あれを持ってして、観てる方に何かを伝えようという方が無理があるんじゃないかなと思いますよね。
あくまで、個人的にですけども(´・ω・`)
投稿: Sur | 2007年8月17日 (金) 07時41分
>打越さんのその後は、見たくなかった...
全くです(爆)
打越さんと旭君の今は、なんつ〜か...時の無惨さを感じました...。
投稿: あん | 2007年8月22日 (水) 13時02分
あんさん、ようこそ、ありがとうございます~_(._.)_
打越さんはねぇ、イメージがねぇ…(笑)
まぁ、演じている役者さんには何の罪もないんですけど、
でも、もうちょっと他にもいたんじゃないかな、と…
思ってしまいますよね(;´・ω・`)
いや、しかし、あんさんのブログにある絵はお上手ですね!
いっつも、どっかから写真を引っ張ってくるだけなんで、
ああいうのはオリジナリティーも出せて、ほんと羨ましい限りです。
また、これからもよろしくお願いします!
投稿: Sur | 2007年8月22日 (水) 22時16分