« アヒルと鴨のコインロッカー [映画] | トップページ | レミーのおいしいレストラン [映画] »

2007年7月25日 (水)

赤い文化住宅の初子 [映画]

Akai_1

★★★★★★★☆☆☆

http://www.hatsuko-movie.com/ (赤い文化住宅の初子 公式サイト)



「赤い文化住宅の初子」

実際観たのは先週の事になりますが、渋谷シネ・ラ・セットで観てまいりました。




ちょっともう~…やめてよ…(;´д⊂)


セコイわ…こんなん…(;´д⊂)



どうやって、これを観て感動せずにいられるんですか…(;´д⊂)



…っていう感じの。



これはもう、そんな、これでもかってくらいにベタベタ

”貧乏少女物語”です。



これをやっとけば可愛そうに見えるだろうと言う事は全部やってきますよね。


そういう意味では凄く、イヤラシイ作品、とも言えるかもしれません…(笑)




        ※ネタばれしてます!ご注意ください!_(._.)_※




Akai2_1












”母に先立たれ、その後父も蒸発してしまった15歳の初子(東亜優)は、

高校を中退した兄(塩谷瞬)と二人で暮らしていた。


彼女は同級生の三島君(佐野和真)と一緒に東高を受験する約束をし、

勉強まで教えてもらうのだが、彼女の家には高校に進学するお金はない。


アルバイトの帰り道でも彼女は日々、そのことが気にかかり……。”



そんな、初子ちゃんなんですけども。



ほんと、これが先程も言いましたけど、

もう”時代錯誤”と言ってもいいくらいの貧乏さ加減なんですね…(爆)



家に電話は無いし、


テレビも無い、


パソコンなんてとんでもない。



さらには、携帯もないし、



お金も無い!(昔こんなドラマありましたね)




今時、こんな事あるのかな…と思わずにはいられない。

そんな境遇の初子ちゃんなんですけども。



でも、密かに想いを寄せる三島君とは一緒に東高に行きたい。



けど、お兄ちゃんの稼ぎと、

自分のアルバイト代だけでは日々の”生活費”だけで精一杯。



しかも、天性のトロくささのお陰でバイト先のラーメン屋もクビになり、

高校進学なんて夢のまた夢



さらには、頼みの綱のお兄ちゃんも、

勤め先の工場で揉め事を起こしクビになる始末…。



まさにどん底の状態。




「私、高校進学を辞めて就職します。」




そんな、初子ちゃんなんですけども。




いやぁ~、もうねぇ、

やりすぎですよ…(笑)



いくら原作はマンガとはいえ、これねぇ…(;´д⊂)


もう、どこまで初子ちゃんをいじめたら気が済むのかと。



で、またこれもベタと言えばベタなんですけど、

こんな境遇でもメゲずにケナげで、尚且つお兄ちゃん想いのいい子なんですよねぇ。


この初子ちゃん。



夕食の1個しかないコロッケをお兄ちゃんにあげたり、

お兄ちゃんが風俗嬢を家に連れ込んでいる所を見れば、

郵便受けに入ったそっち関連のチラシもちゃんと取っておいたり。



ほんと、いい子なんですねぇ。(うーん)



でも、そんなどん底の環境にいる娘の物語なんですけど、

それほど悲壮感だけが漂っているわけでもなく。



それは何故かと言うともう、この初子の持つキャラクターのお陰でしょうね。



天然で、ドンくさくて、どこかノホホンとした。(演じてる子の素?)



ある意味これは、そんな初子ちゃんを見守る映画とでも言いましょうか。



で、実際にそんな初子を見守っているのが、

ちょっとヤサグレ気味のお兄ちゃんでもあり、同級生の三島君でもあるんですね。




Akai3_3

















この三島君がまた、中々の好少年で、

なにかと初子の事を気にかけてあげるんですね。


というかもう、初子の事が好きで好きで堪らないという…(笑)



で、初子もそんな三島君の想いに応えたいんだけども、

自分の置かれた境遇がそれを許してくれない。



そんなもどかしさの中、亡くなった母親が好きだった本、

「赤毛のアン」だけが初子の心の支えになっている。



しかし、そんな「赤毛のアン」を初子は嫌いだとも言います。



「最初は不幸でも、あとはなんでもドンドン上手くいくから。」


自分の上手くいかない生活とのギャップでそう感じてしまう。



でも、本当はそんな「赤毛のアン」の事が羨ましいんですね。




そしてある日、

そんな初子をさらにどん底へと突き落とすある人物が現れます。




Akai4










近所をうろついていたホームレス


このホームレスが実は、

初子と兄、そして母親を捨て蒸発した、初子の実の父親(大杉漣)だったのです。



家にまでおしかけ、兄と初子をなじる父親。



一度は追い返したものの、初子たちが留守の間に勝手に上がりこみ、

なんと、部屋にを放って自身もろともにしてしまいます。




なにをしてくれてんねん、大杉漣、と(役名わからず)



こう思ってしまいますよね。




せっかく、生活の為に高校進学を諦めて、ビスケット工場に就職もして、

やっと、三島君ともイイ感じになりつつあって、生活も安定してきてたのに。




ほんま、なにしてくれんねん、大杉漣、と。(役名わからず)




本当に、この父親だけは同情の余地のない…、

ほんっと最低の父親でしたね…。



ちなみに大杉漣さんには何の罪もございませんので。あしからず。




家を焼かれ、唯一の居場所を失い、

兄の友人を頼って広島から大阪へと引っ越す事になってしまった初子。



当然、三島君とも離れ離れになってしまいます。



出発の日、駅まで見送りに来た三島君と、

工場から餞別としてもらったビスケットを無言で食べ続ける二人。



いいシーンですねぇ。



そして、初子は言います。




「…こんなん、ドラマの最終回みたいでイヤや。」(広島弁ってこんなんでしたっけ?)



すると三島君は怒ります。




「アホか、こんなところで終わらせてたまるか!

将来、初子と結婚してホームドラマにするんや!」

(これは完全に関西弁かもしれません)




そして、小指と小指でしっかりと手を繋ぎ感動のキスシーン

…というところで、この物語は終わります。





いやぁ、これは中々面白かったですねぇ、はい。



もう、それこそ今時アリエナイ位のベタベタ展開でしたけど、

でも、それを変に大袈裟にせず淡々と日常として描いているところで、

こちらもそこで引かずに最後まで観れたかなぁという気が致しました。



また、これをねぇ、くら~~くおも~~~くやってしまうと、

さすがに引いてしまいますからね。



初子の淡い初恋なんかとも絡めて、その辺は上手く配慮されてたんではないかと。



それとやっぱり単純に、この初子役の東亜優さんが見てて可愛らしいのでねぇ。


観てるこっちとしても、なんかこう応援してしまいたくなりますよね(笑)




もちろん、塩谷瞬さんをはじめとする、

その他の個性的な役者さんたちも凄くがあってよかったですね。



あと、三島君も。(ちょっと濃い感じだけど)





”初子はきっと大阪で誰かと出会い、

三島くんはやがて他の誰かと結ばれるかもしれない。”



公式サイトにある監督のタナダユキさんのコメントなんですけど。



これを読んだ時に、

(ああ、この監督さんの言いたかった事ってこういう事なのかな)

って、ちょっと思ってしまいました。



別に貧乏云々…

初子がこんな環境でも頑張ってるんだから自分も頑張ろう、とか、

こんな生活を送ってる初子可愛そう(泣)…とかで泣いてほしいんじゃなくて、

”人生ってそういうもんだよね”っていう。



まさに「赤毛のアン」の話とリンクするかと思うんですが、

”人生ってそんなに思い描いてるほど上手くいかないよね”っていうですね。



そんな事なのかな、と。


思いましたね。




まぁでも、いくらなんでも、

もう、ここからは幸せになってもらわないと…ね(爆)




というわけで、「赤い文化住宅の初子」

7個で!





…本日はですね。



またまた、この渋谷シネ・ラ・セットまで出向いて、

ドキュメンタリー映画「TOKKO-特攻-を。


そして、さらにサービス・デーの恵比寿ガーデンシネマまで行き、

「インランド・エンパイア」なんぞも観れたらな、っていう感じでございます_(._.)_



では、またそのレブーの時にお会いしましょう(´・ω・`)ノ


ダンケシェーン(´・ω・`)ノシ




|

« アヒルと鴨のコインロッカー [映画] | トップページ | レミーのおいしいレストラン [映画] »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 赤い文化住宅の初子 [映画]:

» 赤い文化住宅の初子/東亜優、塩谷瞬 [カノンな日々]
原作はコミックらしいんですけど全然知りませんでした。主演の女の子も知らなくて唯一知っていたのが監督タナダユキさん。「さくらん」では脚本を務めた方です。どんな物語なのかなぁと思ってたら劇場予告編で女の子が言うセリフ「赤毛のアンが嫌いだ」。このワンフレーズに....... [続きを読む]

受信: 2007年7月25日 (水) 10時10分

» 赤い文化住宅の初子 65点(100点満点中)07-180 [(´-`).。oO(蚊取り線香は蚊を取らないよ)]
実は植物状態なのび太の夢でした 公式サイト 社会の底辺をヌルく描写した作品を得意とする、松田洋子の同名漫画を、蜷川実花監督の『さくらん』にて脚本を担当したタナダユキの脚本・監督により実写映画化。 『さくらん』の時には、原作そのままに進められる部分にお....... [続きを読む]

受信: 2007年7月25日 (水) 10時29分

» 「赤い文化住宅の初子」映画館レビュー 三島君だらけ [長江将史〜てれすどん2号 まだ見ぬ未来へ]
笑ってしまった、泣いてしまった、しまった。 [続きを読む]

受信: 2007年7月25日 (水) 14時04分

» 【2007-102】赤い文化住宅の初子(2回目) [ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!]
人気ブログランキングの順位は? 『嫌いじゃったアンに本当は憧れとったん。。。』 [続きを読む]

受信: 2007年7月25日 (水) 23時23分

» 赤い文化住宅の初子:貧乏、初恋、ひとりぼっち シネ・アミューズ [気ままに映画日記☆]
今時主人公が貧乏な少女って・・・ なかなかいいじゃん。 タイトル:赤い文化住宅の初子 監督・脚本:タナダユキ 出演:東亜優/塩谷瞬/佐野和真/坂井真紀/江口のりこ/大杉漣 製作:2007年日本 「三島君、うち もうバイト」 中学生の初子(東亜優)は同級生の三島君(佐..... [続きを読む]

受信: 2007年7月26日 (木) 01時24分

» [ 赤い文化住宅の初子 ]夢見る少女じゃいられない! [アロハ坊主の日がな一日]
[ 赤い文化住宅の初子 ]を渋谷シネアミューズで鑑賞。 愛すべき女優安藤玉恵は、今回ピンサロの呼び込み役として 出演している。想定内の役どころにいささか物足りない気 分である。 本作はカルト漫画家、松田洋子の同名コミックの映画化です。 監督は、[ さくらん ]で脚本を担当したタナダユキ。 「本当に映画にしたいものしか撮りたくない」というだけあっ て[ さくらん ]よりも断然面白い。タナダ嬢は脚本家ではなく やっぱ監督さんなんでしょうね。 ... [続きを読む]

受信: 2007年7月26日 (木) 01時42分

» 赤い文化住宅の初子(07・日) [no movie no life]
「ナンダこのタイトルは。」 いつものごとく、詳細な内容は知らない。ただ、タイトルに惹かれて観に行った。 広島。父は失踪、母は借金で働きづめで亡くなり、兄妹の二人暮らし。兄(塩谷瞬)は高校を中退し工場で働くも、稼げるお金は限られている。電気は止められ、灯油を買... [続きを読む]

受信: 2007年7月26日 (木) 11時36分

» 赤毛のアン@無料動画 [無料!! アニメ・ドラマ三十代のツボ]
赤毛のアンの無料動画です。他多数ありますので、よろしければ、お試しください。 [続きを読む]

受信: 2007年7月27日 (金) 09時38分

» 「赤い文化住宅の初子」貧乏について考える(わけないね) [soramove]
「赤い文化住宅の初子」★★★ 東亜優、塩谷瞬主演 タナダユキ監督、2007年(100分) 夕暮れの橋の上、 視線を下に落として 少女が「お金、お金、お金」と言いながら 歩いて行く。 その予告編で見ることを決めた作品、 前売り特典のマッチ箱というのも ...... [続きを読む]

受信: 2007年7月28日 (土) 00時27分

« アヒルと鴨のコインロッカー [映画] | トップページ | レミーのおいしいレストラン [映画] »