赤い文化住宅の初子 [映画]
★★★★★★★☆☆☆
http://www.hatsuko-movie.com/ (赤い文化住宅の初子 公式サイト)
「赤い文化住宅の初子」。
実際観たのは先週の事になりますが、渋谷シネ・ラ・セットで観てまいりました。
ちょっともう~…やめてよ…(;´д⊂)
セコイわ…こんなん…(;´д⊂)
どうやって、これを観て感動せずにいられるんですか…(;´д⊂)
…っていう感じの。
これはもう、そんな、これでもかってくらいにベタベタな
”貧乏少女物語”です。
これをやっとけば可愛そうに見えるだろうと言う事は全部やってきますよね。
そういう意味では凄く、イヤラシイ作品、とも言えるかもしれません…(笑)
※ネタばれしてます!ご注意ください!_(._.)_※
”母に先立たれ、その後父も蒸発してしまった15歳の初子(東亜優)は、
高校を中退した兄(塩谷瞬)と二人で暮らしていた。
彼女は同級生の三島君(佐野和真)と一緒に東高を受験する約束をし、
勉強まで教えてもらうのだが、彼女の家には高校に進学するお金はない。
アルバイトの帰り道でも彼女は日々、そのことが気にかかり……。”
そんな、初子ちゃんなんですけども。
ほんと、これが先程も言いましたけど、
もう”時代錯誤”と言ってもいいくらいの貧乏さ加減なんですね…(爆)
家に電話は無いし、
テレビも無い、
パソコンなんてとんでもない。
さらには、携帯もないし、
お金も無い!(昔こんなドラマありましたね)
今時、こんな事あるのかな…と思わずにはいられない。
そんな境遇の初子ちゃんなんですけども。
でも、密かに想いを寄せる三島君とは一緒に東高に行きたい。
けど、お兄ちゃんの稼ぎと、
自分のアルバイト代だけでは日々の”生活費”だけで精一杯。
しかも、天性のトロくささのお陰でバイト先のラーメン屋もクビになり、
高校進学なんて夢のまた夢。
さらには、頼みの綱のお兄ちゃんも、
勤め先の工場で揉め事を起こしクビになる始末…。
まさにどん底の状態。
「私、高校進学を辞めて就職します。」
そんな、初子ちゃんなんですけども。
いやぁ~、もうねぇ、
やりすぎですよ…(笑)
いくら原作はマンガとはいえ、これねぇ…(;´д⊂)
もう、どこまで初子ちゃんをいじめたら気が済むのかと。
で、またこれもベタと言えばベタなんですけど、
こんな境遇でもメゲずにケナげで、尚且つお兄ちゃん想いのいい子なんですよねぇ。
この初子ちゃん。
夕食の1個しかないコロッケをお兄ちゃんにあげたり、
お兄ちゃんが風俗嬢を家に連れ込んでいる所を見れば、
郵便受けに入ったそっち関連のチラシもちゃんと取っておいたり。
ほんと、いい子なんですねぇ。(うーん)
でも、そんなどん底の環境にいる娘の物語なんですけど、
それほど悲壮感だけが漂っているわけでもなく。
それは何故かと言うともう、この初子の持つキャラクターのお陰でしょうね。
天然で、ドンくさくて、どこかノホホンとした。(演じてる子の素?)
ある意味これは、そんな初子ちゃんを見守る映画とでも言いましょうか。
で、実際にそんな初子を見守っているのが、
ちょっとヤサグレ気味のお兄ちゃんでもあり、同級生の三島君でもあるんですね。
この三島君がまた、中々の好少年で、
なにかと初子の事を気にかけてあげるんですね。
というかもう、初子の事が好きで好きで堪らないという…(笑)
で、初子もそんな三島君の想いに応えたいんだけども、
自分の置かれた境遇がそれを許してくれない。
そんなもどかしさの中、亡くなった母親が好きだった本、
「赤毛のアン」だけが初子の心の支えになっている。
しかし、そんな「赤毛のアン」を初子は嫌いだとも言います。
「最初は不幸でも、あとはなんでもドンドン上手くいくから。」
自分の上手くいかない生活とのギャップでそう感じてしまう。
でも、本当はそんな「赤毛のアン」の事が羨ましいんですね。
そしてある日、
そんな初子をさらにどん底へと突き落とすある人物が現れます。
近所をうろついていたホームレス。
このホームレスが実は、
初子と兄、そして母親を捨て蒸発した、初子の実の父親(大杉漣)だったのです。
家にまでおしかけ、兄と初子をなじる父親。
一度は追い返したものの、初子たちが留守の間に勝手に上がりこみ、
なんと、部屋に火を放って自身もろとも灰にしてしまいます。
なにをしてくれてんねん、大杉漣、と。(役名わからず)
こう思ってしまいますよね。
せっかく、生活の為に高校進学を諦めて、ビスケット工場に就職もして、
やっと、三島君ともイイ感じになりつつあって、生活も安定してきてたのに。
ほんま、なにしてくれんねん、大杉漣、と。(役名わからず)
本当に、この父親だけは同情の余地のない…、
ほんっと最低の父親でしたね…。
ちなみに大杉漣さんには何の罪もございませんので。あしからず。
家を焼かれ、唯一の居場所を失い、
兄の友人を頼って広島から大阪へと引っ越す事になってしまった初子。
当然、三島君とも離れ離れになってしまいます。
出発の日、駅まで見送りに来た三島君と、
工場から餞別としてもらったビスケットを無言で食べ続ける二人。
いいシーンですねぇ。
そして、初子は言います。
「…こんなん、ドラマの最終回みたいでイヤや。」(広島弁ってこんなんでしたっけ?)
すると三島君は怒ります。
「アホか、こんなところで終わらせてたまるか!
将来、初子と結婚してホームドラマにするんや!」
(これは完全に関西弁かもしれません)
そして、小指と小指でしっかりと手を繋ぎ感動のキスシーン…
…というところで、この物語は終わります。
いやぁ、これは中々面白かったですねぇ、はい。
もう、それこそ今時アリエナイ位のベタベタ展開でしたけど、
でも、それを変に大袈裟にせず淡々と日常として描いているところで、
こちらもそこで引かずに最後まで観れたかなぁという気が致しました。
また、これをねぇ、くら~~く、おも~~~くやってしまうと、
さすがに引いてしまいますからね。
初子の淡い初恋なんかとも絡めて、その辺は上手く配慮されてたんではないかと。
それとやっぱり単純に、この初子役の東亜優さんが見てて可愛らしいのでねぇ。
観てるこっちとしても、なんかこう応援してしまいたくなりますよね(笑)
もちろん、塩谷瞬さんをはじめとする、
その他の個性的な役者さんたちも凄く味があってよかったですね。
あと、三島君も。(ちょっと濃い感じだけど)
”初子はきっと大阪で誰かと出会い、
三島くんはやがて他の誰かと結ばれるかもしれない。”
公式サイトにある監督のタナダユキさんのコメントなんですけど。
これを読んだ時に、
(ああ、この監督さんの言いたかった事ってこういう事なのかな)
って、ちょっと思ってしまいました。
別に貧乏云々…
初子がこんな環境でも頑張ってるんだから自分も頑張ろう、とか、
こんな生活を送ってる初子可愛そう(泣)…とかで泣いてほしいんじゃなくて、
”人生ってそういうもんだよね”っていう。
まさに「赤毛のアン」の話とリンクするかと思うんですが、
”人生ってそんなに思い描いてるほど上手くいかないよね”っていうですね。
そんな事なのかな、と。
思いましたね。
まぁでも、いくらなんでも、
もう、ここからは幸せになってもらわないと…ね(爆)
というわけで、「赤い文化住宅の初子」。
★7個で!
…本日はですね。
またまた、この渋谷シネ・ラ・セットまで出向いて、
ドキュメンタリー映画「TOKKO-特攻-」を。
そして、さらにサービス・デーの恵比寿ガーデンシネマまで行き、
「インランド・エンパイア」なんぞも観れたらな、っていう感じでございます_(._.)_
では、またそのレブーの時にお会いしましょう(´・ω・`)ノ
ダンケシェーン(´・ω・`)ノシ
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