ボルベール<帰郷> [映画]
★★★☆☆☆☆☆☆☆
http://volver.gyao.jp/ (ボルベール<帰郷> 公式サイト)
「ボルベール<帰郷>」。
渋谷シネ・フロントまで観にいってまいりました。
遠かったです。
なんつうんだろう、これは。
「親子3代に渡る”サスペンス”を、家族愛風味で仕上げてみました。」
「本日のおススメ、アルモドバル(監督)シェフの気まぐれムービー。」
みたいな、こんな映画でした。
うん、そうですね、こんな感じでしたね。
まぁ、詳しい内容の方はご想像にお任せしますけども。(おい)
※そこそこネタばれしてますのでご注意ください※
ペネロペ・クルス。
綺麗でしたねぇ。
綺麗さの中にも、この写真のようにチャーミングさも兼ね備えてるという。
いいです。
そんなペネロペ・クルス主演の「ボルベール」なんですけども、
これはなんとも説明の難しい映画…と言いますか。
ちょっと捕らえどころのないストーリーで、
事前知識0で観た自分にとっては先の展開が全く読めない、
「…んっ、あっ…も、ちょ…どっち方向で進めたいねん!?(;´д`)」
みたいな。
そんな印象の映画でした。
最初は、なんかこう家族の日常を描いたヒューマン・ドラマ的な、
そんな内容なのかなと思いきや、いきなり娘が父親を殺害…!
おお、なるほど!こっからサスペンスへと発展していくわけね!
っと前のめりになった途端、いきなり死んだ母親が出てくるというファンタジー展開…!
おおぅ、なんじゃいな…!(;´д⊂)とこちらも方向転換しようとした矢先、
またまたヒューマン・サスペンス・ドラマへと原点回帰!
さらに話が進むと今度は、
ファンタジー・ヒューマン・ドラマ・ファンタジーになるじゃありませんか!(意味不明)
…まぁ、正直ここまでひどくはないんですけど、
それでも、ほんと情報0で観るとちょっと混乱してしまいましたね…(汗)
そのくらい、「こうなって行くのかな、行ってほしいな」って方向に
思うように行ってくれないので…(笑)
個人的に、このヨーロッパ方面の映画でよく見られる、
”極々淡々と進む”ストーリー展開っていうのが苦手なんですよねぇ…。
展開に波のないと言いますか、敢えてなんでしょうけど波を作らない、
作ってもさほど大きくしないというような印象の映画が多いように思うんですが。
やっぱり、単純に退屈してしまいますし…(;´д⊂)
ラストに衝撃の事実を持ってくる展開に映画の命をかけてるんでしょうけども、
そこにたどり着くまでに物語自体に飽きてしまってる場合が多々あるので…。
その辺の、せっかくのオチも前フリが長すぎるせいで楽しめないという、
そんな映画をいくつか観たような記憶があるのですが。
結論から言ってしまうと、この映画もそんな映画でした。
ペネロペとその姉(写真左)、娘(真ん中)、
そして死んだはずの母と近所に住む幼馴染?の女性。
この5人の女性がそれぞれの”隠された秘密”を胸に秘め、
そして、それぞれがお互いの人生と密接に絡み合いながら生きていく…というような。
観終わった後の今となってはこんな映画だったなと言えるんですが、
リアルタイムで観てる時はその辺がわかんないじゃないですか。
やっぱり、最初はサスペンスだと思ったんですよ。
序盤…ですかね、
このペネロペの娘が父親に襲われて衝動的に殺害してしまう。
それを知ったペネロペは、
「殺したのは私よ、あなたはやってない、私に全部任せなさい。」
みたいな感じで娘をかばおうとするわけです。
さぁ、きたきた、これねぇ。
迫う刑事、逃げるペネロペ。
どう考えてもこの後の展開はこうなると思いますよ。
誰がこの後、死んだ母親が車のトランクから「出して!」って呼んでくると思いますか。
で、この死体を隠さないといけないわけで、
その隠し場所として、ご近所の知り合いのレストランのオーナーが、
店を売りに出すんだけど、ちょっと遠出するから鍵を預かって…と来ました。
そこでペネロペは、これは好都合とばかりに、
このレストランの業務用冷凍庫のようなものに死体を隠すわけですね。
そして、その死体を隠している最中、ふと背後に人の気配が…!
「何してるのよ!入らないで!」問い詰めるペネロペ。
「あ、いや、近くで映画の撮影をしてるんだけど、明日のランチを頼めないかな…?」
どうやらただの客のようだ。
(ふぅ、見られてないようね…)安心するペネロペ。
そして、しばらくしておもむろにペネロペは…、
「………いいわよ、30人分ね?明日の4時ごろでいいかしら。」
…………
…………
レストラン……死体……処分……ランチ……30人分……
か…かはぁ…ま、まさかペネロペペ…(;;;´д`)ヒィィィ…
いや、このタイミングでこの展開は、こうなりますよ、絶対…(笑)
─ 市場で何か考えを巡らしながら野菜を買うペネロペ。
「…そのトマトも4kgちょうだい。」
そ…そのトマトトっと…アレをアエて…(;;;´д`)ヒィィイイ…
─ 買い物の帰り、すれ違った友人に…
「肉を買ったの!?その肉売ってくれない!?どうしても必要なのよ!?」
そ…その肉にアレレを混ぜて……
何対何の割合で………(;;;;´д`)ヒヒィィィィィン…
もう、イチイチガクブルですよ。
まさか、そんなサイコサスペンスな展開になるとは思ってないじゃないですか、
こっちも…。
”映画の日”って…、1000円でこんなに客入れてしまっていいんかい…と。
そして、30分後……
………。( ´_ゝ`)
すっかり素に戻ってましたね、自分。
ええ、普通にレストランで30人にランチ振舞ってました、ペネロペさん。
断ればいいじゃない。
そんなあなた、死体を隠してこれからどうしようって時に、
別に自分のレストランでもない、
ましてや30人分ものご飯作ってる場合じゃないでしょ…と(爆)
で、もっと驚きなのが、
このあと死体とか殺害した事とか、かな~りの間ほったらかしなんですよ(爆)
いや~、いくらなんでも無理がありすぎると思うんですけど…
この状況で”淡々とした何もない日常”にするには…(笑)
…まぁ、こんな感じでですね、
ヒューマン・ドラマにしたいのかサスペンスにしたいのか…、
この辺が凄く曖昧な作りだった為に、混乱と中途半端さがちょっと気になりましたね。
恐らくヒューマンの方が前にくるんでしょうけど、
もう、それならあの父親殺害はいらなかったんじゃないかと思うんですけどねぇ。
絶対気になりますもん、そんなもん入れられてほっとかれても…(笑)
で、まぁラストについてもちょっと言いたい事があったんですけど、
また長くなりそうなんで割愛させていただきますが、
でも、この↑の死んだはずのお母さんの描き方についてだけ。
ラストの展開というか、”衝撃の真実”まではまぁいいんですよ、
それなりに衝撃的な内容でしたし。
でも、どうもなんかこのお母さんを、
凄く”良いお母さん像”的な感じで最後描いてたのがしっくり来なかったんですね。
ぶっちゃけ二人殺してますからね。
しかも結局自首もせずに、
自分の妹の看病というのを言い訳にしてなんだかんだと。
この二人というのが、ダンナとその浮気相手(ペネロペの幼馴染?の母親)なんですが、
このダンナを殺したいと思う気持ちはわからなくもないんですよ。
これはこの映画のオチとも言うべき”衝撃の事実”に関わってくるんですけども、
母親として、そして妻としてこう思うのも言わば仕方のない事でしょう。
でも、浮気相手はただの浮気相手でしかないのでねぇ、
いくら憎いといっても殺していいって事にはならないでしょうから。
で、その殺した浮気相手の娘にも平然と会って、またその病気の看病を…みたいな。
それでなんか、「苦労したわね、お母さん…(泣)」的な終わり方されても…ねぇ(´д`)
ちょっとこの部分が納得いきませんでした、個人的には。
あと、そうそう、結局ペネロペのダンナの件も、
冷凍庫ごと川のほとりに穴を掘ってそこに埋めて隠すんですが、
そこにラスト周辺になって娘と共にやってくるんですよ、ペネロペが。
で、そこで、
「あの人(殺されたダンナ)、いつもこの川に来たいって言ってたから…。」(ペネロペ)
「お父さん、ここに埋められて幸せだと思う…(泣)」(娘)
いやいやいやいやいや、お前ら…(笑)
…ま、とりあえず、そんな感じでございました「ボルベール」。
★3個で…!
…実は、シネ・フロントという所へは初めて行って…ちょっと遠かったんですけど、
まぁ、色んな劇場に行ってみるのも面白いなということで、
また違う劇場へも足を運んでみたいなと思う今日この頃でございます_(._.)_
…でも、池袋くらいがちょうどいいわ、ネリマーには(´д`)
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コメント
はじめまして。
ツッコミどころが結構似ていて、TBさせていただきました。
ちょっと「どうなのよそれ?」なトコロが多めでしたよね(笑)
これからもよろしくお願いします。
投稿: Kitty | 2007年7月 8日 (日) 17時40分
kittyさん、はじめまして、ありがとうございます!
先ほどKittyさんのブログ拝見させていただきました。
ほんとだ…(笑)ほとんど同じ感想のようですね(笑)
いやぁ、肉のクダリ…自分だけがこんな事考えてたんじゃないことがわかって、ちょっと安心しました(爆)というか絶対そう思いますよね、あのシーンは(´・ω・`)
こちらこそよろしくお願いします、またお邪魔させていただきますー_(._.)_
投稿: Sur | 2007年7月 8日 (日) 21時01分